年末年始は非常に寒かった。
でも行かねばなるまい。年越しそば。
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中村遊郭の跡を利用して作られている「伊とう」
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大晦日だから、特別メニューしかありません。高ッ!
これは「中村遊郭」の建物を見学するという入場料込のお値段だと思われる。
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店内は程よく改装され、程よく歴史的建造物の味わいが残っており、非常によろしい。
外観はほぼ完全に保存されているのと、中庭、それをとりまく廊下と雪見風の建具などもそのまま使っています。よって窓際はスキマ風がちょっと入ってきますが、それがまたいい感じです。
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中庭越しに向こうの座敷が見える。メインダイニングは土足の土間風床ですが、奥は座敷になっている。
あそこに花魁がいたのかな~!などと想像してみるもヨシ!
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とりあえず、かきの天ぷら。ここのところ写真がイマイチぼけまくり。
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わたくし自身はかきを食べられませんのでー鑑賞に徹する。いいあがり具合です。
このあと続々明らかになっていくのだが、このお店の天ぷらは食べる価値がある。
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出た!飾り包丁!日本の美!
これって究極の機能美だと思うの。絞りやすいし、見た目も美しいし、コロコロと転がって行かない。
天ぷら屋さんって、こういうことしますよね。料亭などはもちろんだけど、蕎麦とか天ぷらって、料理そのものは非常にシンプルだから、そのシンプルさの中に店主のこだわりや美学がギュっと詰め込まれていると思う。
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続いてこちらはアナゴの一本揚げ。
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飾り包丁TypeBですな!チョロっとしたのが可愛い!
「遊郭の建物の蕎麦屋があるんだって~。」という観光気分のお客さんを決して裏切らない演出。
いいと思います。
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真打登場、メインの蕎麦。
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二割ですかね?蕎麦通の人が見たらどう思うか分かりませんが、私自身は蕎麦通じゃないので・・・
蕎麦はどちらかというと「雰囲気で食べる」「天ぷらで食べる」派です。(邪道派)
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天ぷらはこぢんまりと上品にまとまっており、好きな感じです。
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なにしろ、こういう「名入り」なところに魅かれる。
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最近、エコだとか無駄を減らすとか、いろいろな理由で「名入り」が減ったと思います。
独自性が弱まり、大衆化が強まった。

景気も良くなかったし、環境保護への機運も高まっていたから、ちょうどいい言い訳になったと思う。
ビジネスホテルなんかは「エコだ!環境だ!」と叫ぶだけで何も取り替えなくて良くなり、劇的に経費が下がったと言いますね。
ホテルのオーナーと話すと、何がお金がかかるってルームクリーンの人件費らしいので、アメニティの取り換えやあれやこれやのケアを「お客様と一体になった環境保護活動」により少しでも減らしていけば、環境にもよく、またホテルも支出が少なくて済む、ということなのだった。(わかっていましたけど)

私は、名入りは一種の「覚悟」であると思うので、その覚悟の中にはプライドもあり、自信もあり、静かなる「攻め」だと思うの。

そうこう言っていたら蕎麦湯が出ましたよ。
そばを食べる楽しみの30%は天ぷら、30%は蕎麦湯、30%は店の雰囲気、そばの味は10%という私です。
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蕎麦湯は何かというと、蕎麦を茹でたお湯です。蕎麦の麺は「蕎麦の実」を粉にして練って細く切ったものです。
その工程上でそば粉をつけます。茹でるとそのそば粉がお湯に溶けて独特のとろっとした味わいになる。
これを飲むのが「蕎麦湯」というやつです。


結論ですが・・・「外人大喜び」
ここは「観光地」です。だからお値段も観光地並みの高さ。仕方がありません、観光地ですから!いいじゃないですか、しょぼいエコな店で安い蕎麦食べてるだけじゃつまらない。
観光地だから、デートにも非常に良いと思います。また、大人の家族連れにもよい。実際に客層はそんな感じでした。
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個人的には気に入りましたので、これから外人をどしどし連れて行き、オーワンダフォー!フジヤマーゲイシャガールースシサシミー!の後に、オイランーソバーと叫ばせたいですね。