恐らく日本中の多くの人が釘付けになったであろう錦織圭vsフェレール(ATPワールドツアー・ファイナル)の試合、結果は錦織の逆転勝利であり、試合の詳細は国内全メディアがスポーツのTOP扱いで報道しているので省略しますが・・・

しかし今夜、どうしても書き残しておきたいのはこの試合の解説を担当した松岡修三のコメントです。


「僕は彼に何も教えていない」

「彼は師匠だ」

「今日も彼を見て学んでいる」


今夜の松岡はいつも以上にハイテンションで、声を聴いているだけでその興奮が伝わってくるようだった。
彼の解説(及び彼自身のパーソナリティー)を「ウザイ」「暑苦しい」と嫌う人もあるけれど、個人的には松岡修三のテニス解説はわかりやすくて面白いと思っています。

錦織圭がこのように本格的に、そりゃもう想像を超える世界のTOP中のTOPに躍り出て、このところ頻繁に試合の中継がある。当然今夜もBSでLIVEを見るのだけど(私はスポーツのLIVEが大好物。陸上でも武道でもなんでもアリ)、ずっと松岡修三がセットなのであります。

耳にタコができるぐらいに松岡修三です。
※今夜は村主章枝が引退会見をし、「8年ぶりに」プリンを食べるシーンまであったというのに完全にその話題は吹っ飛んでしまっていましたね。
LIVEでの音声はというと、プレーしている錦織はしゃべらないので耳は錦織と対戦相手のボールを打つ音と観客の歓声やため息+松岡修三トーク。これを毎試合聞いているわけです。

これまでも松岡修三が錦織圭を語るとき彼は「自分が教えた」「ここまで大きくなれたのは自分のおかげ」的な上から目線の発言は徹底的に控えており、松岡修三自身もグランドスラムでベスト8に入ったという我が国のテニスの歴史に残る偉業を達成しているにもかかわらず、

「圭と比較してくれるな、僕と比較される圭に失礼だ!」
「僕はまぐれで圭は才能」

といったコメントを何度もしている。

今日は試合直前に本来の対戦相手が棄権してしまうという突然の大きな変更があり、プレイヤーだけでなく観客も審判団・運営スタッフなども大慌てだっただろうと思われます。
そんな中で前試合の敗戦を乗り越えて、まさに栄光への階段を歩み続ける錦織圭の姿をLIVEで見ながら聞く松岡修三のコメントは一段と味わい深い。

「徹子の部屋」や「おしゃれイズム」のようなインタビューなどで聞いてきたのとは全然臨場感が違う。
11歳の時から見てきた少年が自分を追い越し、誰も手が届かなかったところに今触ろうとしている。
その瞬間を目の前で見ながら叫ぶように語る松岡修三。



「僕は彼に何も教えていない!!!教えることなんか何もなかった!!!」

「彼は師匠だ!!!僕の師匠だーー!!!」

「今日も彼を見て学んでいますっ!!!」



ファミレスと喫茶店に今週だけで5回ぐらい行きましたが必ず誰かが「錦織スゲー」と噂をしています。たいていは若い男性で、女性に対して錦織がいかに凄いかを一生懸命説明している人もいた。
LIVEで見る世界頂上戦のテニスは名城公園やら庄内緑地公園などで見かける楽しそうな、仲間に入りたくなるような感じではなく、1球1球息詰まる心理戦で全編を通して1対1のガチバトル。
ホッケーでいうとずっとPCばっかり最初から最後まで、という感じだのだろうか。イヤ、違ったらごめんなさい。
とてもじゃないけどあんなテニスはできないし、頼まれてもしたくない。
誰も私にそんな大舞台でテニスをしろと頼みもしないと思うけれどね(笑)

上のレベルに行けば行くほどスポーツは「勝ちか負けか」のみになり、それはもうほとんど「生か死か」ぐらいの両極の結果。勝てた理由や負けた言い訳など関係なく、勝敗の結果だけが重要になる。
見ている方はレジャー性があるけれどやっている方はレジャー性など皆無であります。
今年ドラフトでプロ入りしたある新人野球選手のお父さんが息子に「野球は遊びじゃない。遊びでやるならやめろ」と言ったそうな。息子はその言葉を心の支えにしてとうとうプロになった、というのをやっていましたね、何かの番組で。

古い話で恐縮ですが、昔従弟がバドミントンの選手で国体に出たのだけど(その親はスピードスケートで国体出場)、バドミントンと言えばあのポーンポーンと放物線の山型を描いて羽を打つのんきな遊びだと思っていた私が

うぁああ なにこれ バドミントン 羽が見えない

と思ったんですねー試合を見て。バドミントンも本物の人たちがやっていると羽根(シャトル)がビュッと音を立てて一直線に飛ぶのです。気迫も愛ちゃんの卓球にも通じる、ウリャー!!トイヤー!!の世界です。
そういえば福原愛ちゃんもいつも泣きながら練習していました。
まさに「これは遊びじゃない。遊びでやるならやめろ」そのものです。

松岡修三、「僕は11歳の時から圭を見ていますがー!」の時が一番嬉しそうで一番誇らしげです。
世界中の人がこの試合を「おおおー!すごいー!」「入ったか?惜しいッ!」とそれぞれの国の言葉で叫びながら手に汗握って見ているのだろう。

それを思うとスポーツには本当に国境がないと思うし、遊びじゃなく真剣にプレーしているからこそ、見ている人はその真剣さに心を打たれるし、真剣にやっているからこそ勝った時の喜びは大きいのだと思いました。

道は険しくとも一つでも多く勝ち進み、負け試合からは一つでも多くの経験や教訓を得て、頑張ってほしい!錦織圭!松岡修三も次戦もぜひいい解説をお願いしたいと思います。